アメリカと中国の間で続く貿易摩擦が世界市場を揺るがす中、アジアのカジノ業界もその影響を大きく受けています。2025年4月7日(月)、アジア全域のカジノ企業が影響を受け、香港証券取引所(HKEX)に上場する複数の運営会社の株価が数年来の安値を記録しました。
カジノ株の急落は、米中間の関税戦争によって引き起こされたハンセン指数(HSI)の全面的な売りの一部です。香港の主要株式指数であるHSIは、同日13%以上下落し、1997年のアジア通貨危機以来最大の下げ幅となりました。中でも、ギャラクシー・エンターテインメント・グループは12%以上の急落で、株価は週初のHK$30.15からHK$26.40(約3.37ドル)まで下落し、大きな日次損失を記録しました。
香港株とともに打撃
メルコリゾーツ&エンターテインメントは9.8%下落し、株価は4.80ドルに。サンズ・チャイナを所有するラスベガス・サンズは8.4%下落し、33.37ドルで取引を終えました。ウィン・マカオは13%下落し、過去6か月で最安値に達しました。アジアン・マーケット・センスの創業者アンドリュー・サリバン氏はSiGMAニュースの取材に対し、「多くの国際投資家は香港ハンセン指数を通じて中国市場に投資している。ゆえに、貿易戦争を懸念する投資家は中国へのエクスポージャーを減らすため、香港株を売却する」と説明しています。
Tこのカジノ株急落の背景には、トランプ米大統領が突如発表した大規模な新関税政策があり、それが市場のボラティリティと投資家の不安を引き起こしました。一方、中国の習近平国家主席は国内消費の潜在力を「全面的に解放する」よう呼びかけ、成長促進を図っています。ただし、サリバン氏は、習主席の声明にはギャンブル産業への言及がなかったことを強調しています。
この新たな関税発表により、アメリカ国内のカジノ株も2025年4月3日に急落。広範な損失は、トランプ大統領の関税計画が消費支出や国際観光の流れに与える影響への懸念を反映しており、これらはカジノやエンタメ業界にとって極めて重要な要素です。
裁量支出に圧力、専門家が警鐘
専門家によると、経済的緊張がさらに悪化すれば、特にアジアからの国際観光客数が減少し、カジノ企業の収益に直接的な悪影響を与える可能性があると指摘されています。アジアン・マーケット・センスのアンドリュー・サリバン氏は、「中国経済の減速により、裁量支出(不要不急の消費)に圧力がかかるのが重要なポイントだ」と述べ、それがマカオへの渡航者数の減少につながると予測しました。
またサリバン氏は、「香港は中国と深く結びついている一方で、HKD/USDペッグ(米ドルとの連動通貨制度)によりアメリカとも密接な関係にあるため、米中対立の板挟みになるのが問題だ」と指摘しています。
参考として、アメリカのドナルド・トランプ大統領は中国に対し34%の関税を課し、中国側も同様にアメリカ製品に対して報復関税を導入しました。これにより、調査会社モーニングスターはアメリカ大手カジノ企業の株価評価を引き下げました。米中間の地政学的緊張が、特にマカオでの事業に影を落とし始めていることが要因です。
モーニングスターは、政策決定や国際関係に関連するリスクの高まりを理由に、ラスベガス・サンズやMGMリゾーツの「公正価値評価(フェアバリュー)」を引き下げました。


