ミネソタ州最高裁判所は、ランニング・エイセズ・カジノ・ホテル&レーストラックが、新たな電子テーブルゲームを導入して事業内容を拡大できるとの判断を下した。これは、同措置が部族のゲーミング権を侵害すると主張していたシャコピー・ムデワカントン・スー族コミュニティの訴えを退ける形となった。
事件の背景
本件の発端は、2023年にミネソタ州競馬委員会が、ランニング・エイセズのカードクラブに関する修正運営計画を承認したことにある。この計画では、電子テーブルゲーム技術を用いたディーラーテーブル1台と、プレイヤーステーション11席の追加が認められた。
これに対し部族指導者らは、この拡張は事実上、州と部族の協定により部族にのみ認められているビデオ式の運試し型ゲームなどのギャンブル装置を承認するものだとして、異議を申し立てた。
双方の主張
シャコピー・ムデワカントン・スー族コミュニティは、この承認が特定のギャンブル機器を独占的に運営する自らの権利を侵害し、州との協定に直接的な脅威を与えると主張した。
一方、ランニング・エイセズおよび競馬委員会側は、電子テーブルはミネソタ州法上の「ギャンブル装置」には該当しないと反論した。また、部族側にこの決定を争う法的適格性(当事者適格)があるのかについても疑問を呈した。
最高裁の分かれた判断
裁判官らは、部族に当事者適格がないとする主張については退け、協定によって部族に特定のギャンブル装置に関する独占的権利が付与されている点を認めた。しかし、競馬委員会の承認そのものを覆すかどうかについては、意見が分かれた。
その結果、競馬委員会の判断を支持したミネソタ州控訴裁判所の先行判断が維持され、ランニング・エイセズは修正された運営計画のもとで営業を継続できることとなった。
経済的影響
従来のカードテーブルに加えた多様化により、ランニング・エイセズは電子ゲームに親しんだ若年層の集客が可能になると見られている。この変化は、1日当たりの取扱額やカジノ全体の収益増加につながると予想される。
「ディーリング補助」型の電子テーブルの導入は、スロットマシンに近い体験を提供するものであり、これは部族系カジノで高い収益性が実証されてきた形式である。収益拡大に加え、新たなディーラーやサポートスタッフの雇用創出による地域雇用への貢献も期待される。
一方で、シャコピー・ムデワカントン・スー族コミュニティは、スロットマシンやビデオ式運試しゲームに対する独占的権利に大きく依存している。これらの収益は、部族員の医療、教育、住宅、インフラ整備を支える重要な財源となっている。
部族指導者らは、競馬場併設カジノが電子ゲーム分野に進出すれば、協定に基づく独占性が徐々に失われ、コミュニティの長期的な財政安定が損なわれかねないと警告している。
ランニング・エイセズのような競馬場カジノは、主権協定の下で運営される部族カジノとは異なり、州の法律に基づく税収をもたらす存在である。今回の判断は、ゲーミング関連の資金が課税対象となる流れを強める可能性もある。

今後の見通し
控訴裁判所は以前、電子テーブルは州法上のギャンブル装置に該当しないと判断しており、また競馬委員会が未承認の規則に依拠していないこと、更新されたフロアプランがカードクラブに認められた80卓の上限を超えていないことも認定していた。
最高裁の判断が分かれたとはいえ、ランニング・エイセズは事業拡大を進めることが可能となり、これはミネソタ州における部族系・非部族系ゲーミング権をめぐる長年の議論において、重要な節目となる。
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