北海道は、統合型リゾート(IR)誘致の可能性に向けた早期準備を開始した。2026年度当初予算案に調査費を計上したほか、苫小牧市も同事業の誘致に取り組む意向を確認している。これらの動きは、日本が2027年に予定しているカジノリゾート第2回公募に向けた準備を進める中でのものだ。
2月13日に公表された北海道の2026年度当初予算案では、統合型リゾートに関する調査および政策見直しのため、998万円(約6万5,138米ドル)を計上することが提案されている。この予算は、道の「IRに関する基本的な考え方」を改定し、いわゆる「北海道型IR構想」を策定するために充てられる。
今回の予算計上は、カジノリゾート誘致に関する道の立場を正式に再検討する一歩となる。改定後の方針は、日本のカジノ関連法制度に基づき、北海道がIR区域整備計画を申請するかどうかを鈴木直道知事が判断する際の基礎となる見込みだ。
この作業では、市町村や民間事業者、関係団体との協議が行われる予定である。複数の関係者と連携することで、統合型リゾート誘致に伴う経済的・社会的・運営上の課題や可能性について、より明確な理解を深めることを目指す。
鈴木知事、初回IR公募の結果見直しを要請
今回の予算措置は、2023年12月に終了した第1回IR公募の結果について、政府に検証を求めた鈴木知事の発言に続くものだ。初回公募では、成功案件は大阪のMGM大阪統合型リゾートの1件にとどまった。
大阪のプロジェクトは総投資額1兆5,100億円(約95億7,000万米ドル)で、2030年末の開業が予定されている。この承認により、日本のカジノリゾート第1回公募では1件のみが認可される結果となった。
鈴木知事は、成功案件が1件にとどまった第1回IR公募の結果について、政府に見直しを求めた。
政府が第2回公募のスケジュールを正式に発表する以前から、北海道は将来の公募参加の可能性を引き続き検討するとしていた。今回発表された調査予算は、その検討を具体的に進める枠組みを提供するものとなる。
過去の撤退からの教訓
北海道の今回の動きは、第1回公募時の立場からの転換を示している。道はかつてカジノリゾート誘致に関心を示していたが、第1回公募開始前の2019年末に撤退していた。
当時の撤退は、政策的配慮や世論の議論など複合的な要因によるものだった。今回の調査開始は、国の政策動向や市場環境の変化、そして第1回公募から得られた教訓を踏まえ、改めて機会を見直していることを示唆している。
北海道によるIR戦略の見直しは、次回公募を見据えた判断材料を整えることを目的としている。カジノリゾート誘致の可能性と課題を慎重に検討する姿勢がうかがえる。
苫小牧市が有力候補地に
道が政策見直しを進める中、苫小牧市は統合型リゾートの誘致に取り組む意向を正式に表明した。北海道中央南部沿岸に位置する港湾都市である同市は、以前から有力な候補地と見なされてきた。
記者会見で金澤俊市長は、道と連携しながら積極的に前進する考えを示した。
「IR構想に関する国の動きがかなり明確になってきた。苫小牧市は北海道とともに進めていく。この機会を逃すことはない」と金澤市長は述べた。
市長の発言は、道のIR構想において主導的役割を果たす姿勢を明確に示している。
市予算にもIR関連費用を計上
苫小牧市は2026年度当初予算案にIR関連のプロモーション費用を盛り込み、次回公募に向けた道との連携を示している。
同市は、統合型リゾートの誘致が大きな経済効果をもたらすとの考えを示している。金澤市長は、市および北海道全体への前向きな経済効果の可能性を強調した。
「IRは苫小牧市および北海道の双方にとって経済的にプラスの影響をもたらすべきものだ。苫小牧市は北海道を支援し連携するだけでなく、市としてできることにも取り組む」と述べた。
この発言は、道と連携しながらも独自の取り組みを進める意思を示している。
道と市の連携強化
北海道と苫小牧市の予算措置は、両者の連携を示している。道は調査および政策策定を支援し、市はプロモーションや準備活動に予算を充てている。
この協調的なアプローチは、次回公募に向けてより体系的かつ連携的な戦略を構築していることを示している。日本のIR選定プロセスでは、自治体と民間事業者との緊密な協力が求められる。
第2回IR公募のスケジュール
政府は、統合型リゾートの誘致を希望する自治体向けの次回公募期間を2027年5月6日から11月5日までと発表している。この期間内に、自治体は提案書の作成や開発・運営事業者との連携を整える必要がある。
第2回公募は、第1回で1件のみが承認されたことを受けて実施されるものであり、観光振興や地域経済活性化の手段としてカジノリゾートの可能性を検討する自治体が対象となる。
北海道の調査予算および苫小牧市のプロモーション計画は、公募開始を前に地域が体制を整えつつあることを示している。
他地域との競争
北海道だけでなく、愛知県も次回IR公募への参加を表明し、開発事業者の関心を把握するための情報提供要請(RFI)を開始している。
複数地域の参入は、統合型リゾート誘致をめぐる競争の激化を示している。自治体が戦略を具体化する中で、早期の計画策定や関係者との連携が成功の鍵を握るとみられる。
慎重かつ計画的な前進
北海道が調査費を計上したことは、政策決定に向けた慎重な姿勢を示している。方針の見直しや関係者協議、IR構想の策定に注力することで、正式な申請に踏み切る前段階の準備を進めている。
苫小牧市の積極的な姿勢はこれを補完するものであり、地域の準備態勢と意欲を示している。市のプロモーション活動は、統合型リゾートの経済的可能性への自信と、道の戦略を支える意思の表れといえる。
2027年を見据えて
第2回IR公募まで1年以上を残す中、北海道と苫小牧市は準備を継続している。2026年度予算に盛り込まれた調査費およびプロモーション施策は、複数年にわたる準備プロセスの初期段階と位置づけられる。
これらの動きは、日本各地の自治体が変化するIR環境に対応していることを示している。カジノリゾート開発の段階的拡大が進む中、各地域は将来のライセンス獲得に向けて態勢を整えている。
北海道にとって、今回の調査と政策見直しはIR構想における新たな章の始まりとなる。苫小牧市にとっては、機会を逃さないとする市長の表明が、将来のリゾート誘致都市となる強い決意を示している。
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