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フィリピン、Telegram禁止を検討も専門家は違法ギャンブルの解決に疑問

Jenny Ortiz-Bolivar
翻訳者 Hanako Takagi

フィリピンのギャンブル業界は、情報通信技術省(DICT)が違法ギャンブルやオンライン搾取に関連する違反が続く場合、メッセージングプラットフォーム「Telegram」の禁止を検討していることを受け、潜在的な混乱に備えています。

ギャンブル業界のベテラン、ジョナス・ディエゴ氏はSiGMAニュースに対し、この措置は混乱を招くものの長期的な影響は限定的であり、「粗雑な手段(blunt instrument)」だと述べました。一方、TraXion TechのCEOアン・クイシア氏は、Notionで、プラットフォーム全体を禁止することは、違反者よりも合法的な利用者に被害を及ぼすリスクがあると指摘しています。

DICT当局は、Telegramが違法ギャンブル業者やその他の不法活動にとって主要な通信手段になっていることを懸念しています。ギャンブル業界にとって、この影響は存在そのものを脅かすものというよりも、即時的かつ実務的なものになるとディエゴ氏は述べています。

ギャンブル業者は混乱に直面するが、倒産するわけではない

ディエゴ氏によれば、もしTelegramがブロックされた場合、ライセンスを持つ業者は影響を受けるものの、ほとんどの業者は既存の代替チャネルを使って調整可能です。「Telegramはマーケティングや顧客対応に広く使われていますが、ほとんどの業者はWhatsApp、Viber、Signalなどの代替プラットフォームや、メール、公式アプリ、SMSなど従来のチャネルも併用しています」と述べています。

しかし、ディエゴ氏は、ユーザーの移行は容易ではないと注意を促しています。特にアプリごとにプレイヤーの習慣が異なる市場では移行がスムーズに進まない可能性があります。「一部のアプリは地元プレイヤーの採用率が低い場合もあるため、フィリピンの業者はプレイヤーやコミュニティを迅速に移行させるための対応を迫られるでしょう」。

VIP向けの更新情報やターゲットプロモーションに使われる暗号化グループチャットは、オンラインギャンブルにおける顧客維持戦略の重要な要素です。このインフラを失うと、別の場所でセグメント化されたコミュニティを再構築する必要があります。

「簡単な作業ではありません」とディエゴ氏は述べ、暗号化グループ通信の喪失が、高額顧客の維持戦略に悪影響を及ぼす可能性があると警告しました。また、メッセージングアプリがサポート体制に統合されている場合、運用面での調整も必要になると指摘しています。

それでも、ライセンス取得済み企業は利便性よりもコンプライアンスを優先するとディエゴ氏は強調しました。「コンプライアンスを守るためには、短期的に多少の混乱があっても、業者は対応せざるを得ません」と述べています。

違法ギャンブルに対する「粗雑な手段」

運用上の懸念を超えて、ディエゴ氏はTelegramの禁止が違法ギャンブルを持続的に抑制できるか疑問を呈しました。

「Telegramのようなメッセージングプラットフォーム全体を禁止するのは粗雑な手段だと思います」とディエゴ氏は述べました。「暗号化チャネルに大きく依存する違法ギャンブル業者には打撃を与えるでしょう。しかし、非ギャンブル目的でアプリを使用する合法的な企業や一般ユーザーにも影響が及ぶリスクがあります」。

ディエゴ氏は、規制当局が現実的な懸念や圧力に対応していることを認めています。「Telegramは、違法ギャンブル業者やその他の不法コンテンツ・活動に好んで使われているプラットフォームとして特定されているため、規制の対象になっています」と述べました。

さらに、規制当局の立場に影響を与えた可能性のある調整上の問題にも言及しました。「DICT(情報通信技術省)の関係者は、Telegramのロシア本社との調整に困難を抱えていると報告しており、これがプラットフォームの立場を助けているわけではありません」。

それでもディエゴ氏は、禁止措置による取り締まりは一時的な混乱をもたらすだけで、構造的な変化にはつながらないと主張しました。

「確かに、禁止措置は技術的に制限を回避できない一般ユーザーや小規模な違法業者には影響を与えるでしょう。しかし、意欲ある業者や技術に精通したユーザーはすぐに適応するため、長期的な影響は小さくなる可能性があります」と述べています。

ディエゴ氏の評価では、この措置は即時的な効果を示すかもしれませんが、違法ギャンブルネットワークの根本的な構造問題は解決されないと考えられます。「短期的には成功するかもしれませんが、長期的には問題を解決することにはならないと思います」と述べました。

また、国際的な事例を挙げ、ユーザーがプラットフォームレベルの規制にどのように対応するかを説明しました。インドでは同様の制限が試みられましたが、ユーザーは他のプラットフォームに移行したりVPNを利用したりしたと指摘しました。中国の場合はある程度成功しているものの、地下業者は新たな手法を常に開発し続けていると述べています。

「これに対して、オーストラリアのアプローチはより持続可能で長期的に効果的であり、消費者保護とライセンス取得済み業者の活動とのバランスを取ることができています」とディエゴ氏は指摘しました。

精緻な取り締まり vs 広範囲禁止

クイシア氏も包括的な禁止措置に懸念を示しました。彼女は、プラットフォーム全体の禁止では根本原因に対処できず、経済全体に広範な混乱を招くと指摘しています。また、メッセージングプラットフォーム自体は、あらゆる業界で使用される中立的なツールであると強調しました。

「不正行為に対してプラットフォーム全体を標的にすると、実際の違反者よりもはるかに多くの無実の利用者を罰することになりかねません」と彼女は述べています。

クイシア氏は、犯罪者はデジタル取り締まりに迅速に適応するため、包括的な禁止措置は時間とともに効果が薄れると主張します。「暗号化やメッセージングアプリ自体は脅威ではありません。これらはジャーナリスト、告発者、起業家、そして安全な通信を望む市民を保護するものであり、身元盗難や詐欺のリスクが現実にある時代に重要です」と述べ、合法的な利用者を守る暗号化の役割を擁護しました。

彼女は、プラットフォーム全体をブロックするのではなく、特定の違反者や資金の流れに対して的を絞った措置を取るべきだと提案しています。「合法的な通信を制限せずに犯罪と戦うことができると私は考えています。公共の安全を守りつつデジタル自由を尊重することは両立可能であり、これらの目標は対立しません」と結論づけました。

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