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アジアのギャンブル取締り強化で規制の分断が鮮明に:専門家

Neha Soni
執筆者 Neha Soni
翻訳者 Hanako Takagi

バングラデシュ、ネパール、インドを含むアジア各国で、この地域が新たなギャンブル禁止時代に入るのかを巡る議論が再燃している。しかし、業界専門家はSiGMA Newsに対し、アジア全体が一つの方向へ向かっているわけではないと語った。むしろ、厳格な禁止政策を支持する法域と、規制されたゲーミング制度を推進する法域との間で、アジアの方向性はますます分かれているという。

こうした対照的なアプローチは、この地域の多様性を反映している。アジア担当ビジネス開発・戦略コンサルタントのジョン・カルデロン氏はSiGMA Newsに対し、アジアを単一の規制市場として捉えるべきではないと述べた。「アジア全体に共通する一つの流れがあるとは思いません。この地域は非常に多様だからです。」

「文化的または宗教的価値観に基づき、長年ギャンブルを禁止してきた国もあれば、強固な規制の枠組みの中で運営されるのであれば、ゲーミングを正当な産業と認識している国もあります。」

iGamingコンサルタントのジェイディープ・チャクラヴァルティ氏はSiGMA Newsに対し、各国の規制当局は、認可を受けたゲーミング活動と違法ベッティング事業との区別をより明確にしていると語った。「アジア各国の政府は、規制されたゲーミング、スキルゲーム、娯楽性のあるゲーム商品、そして違法ベッティング事業を、これまで以上に明確に区別するようになっています。」

バングラデシュとネパールがギャンブル取締りを強化

2026年ギャンブル防止法は、バングラデシュにおけるギャンブルを規制する主要法である。2026年7月1日に施行されたこの包括的な法律は、植民地時代に制定された159年前の1867年公共賭博法に代わるものとなった。この法律により、オンラインギャンブル、スポーツベッティング、暗号資産関連取引、ギャンブルに関連する金融犯罪が新たな法的枠組みの対象となった。

ネパールでは3月、全国規模であらゆるベッティングアプリとギャンブルサイトが禁止された。この措置は、ギャンブルへの関心が高まる中で実施された。市場分析プラットフォームBlaskのデータによると、禁止措置前の2026年1月にはネパールにおけるギャンブルへの関心が199万人に達していた。禁止後、Blask Indexは2026年3月に206万人となったものの、4月には162万人、5月には144万人まで減少し、その後6月には161万人へと再び増加した。

インドでは、2025年オンラインゲーム推進・規制法(PROGA)が5月1日に施行され、オンラインのリアルマネーゲームを禁止する一方で、eスポーツやオンラインソーシャルゲームのための制度を整備した。また、政策立案者がオンラインゲーミング規制の将来像を議論する中、インドは海外ベースのベッティング事業者への取締りも強化している。

金融犯罪への懸念が政策を左右

金融犯罪、詐欺、国境を越えた取引への懸念は、近年の規制強化に共通するテーマとなっている。カルデロン氏は、各国政府が違法ギャンブルを、より広範な犯罪ネットワークの一部として捉えるようになっていると述べた。

「各国政府は、違法ギャンブルがマネーロンダリング、サイバー犯罪、詐欺事業、人身売買、そして規制されていない越境金融取引と結び付いていることへの懸念を強めています。」

この問題は南アジアだけにとどまらない。最近公表された国連薬物犯罪事務所(UNODC)の報告書では、アジア太平洋地域における詐欺組織が2025年に883億ドルから1,141億ドルの不正収益を生み出したと推計されている。同報告書は、犯罪組織が暗号資産、オンラインプラットフォーム、マネーロンダリング網の利用を拡大し、取締りの強化に応じて活動拠点を移していると指摘した。

チャクラヴァルティ氏は、規制当局は海外ベースのギャンブル事業者やデジタル決済手段の急速な拡大にも対応していると述べた。「各国政府は、消費者保護、金融犯罪、税収漏れ、マネーロンダリング、詐欺、そして無秩序なギャンブルが社会に与える影響といった、相互に関連する複数の課題への懸念を強めています。」

デジタルウォレット、モバイル決済、暗号資産の利用拡大は、特に事業者や決済プロバイダーが複数の法域にまたがって顧客へサービスを提供できる状況において、規制上の課題をさらに複雑にしている。

規制市場は引き続き進化

南アジア諸国が取締りを強化する一方で、他の法域では規制市場モデルの整備が続いている。シンガポールは、ライセンス制度、法執行、プレイヤー保護を柱とする厳格なギャンブル規制を維持している。フィリピンでは、フィリピン娯楽ゲーミング公社(PAGCOR)のライセンス制度と責任あるゲーミング実施規範に基づき、カジノ、スポーツベッティング、電子ゲーミングの規制が続けられている。

カルデロン氏は、これらの市場は異なる規制アプローチを示していると述べた。「これらの市場は、規制とは完全な自由化か全面禁止かの二者択一ではないことを示しています。」

チャクラヴァルティ氏は、ライセンス制度、金融監督、責任あるゲーミング対策、無認可事業者への厳格な取締りを組み合わせた制度を模索する政府が増えていると述べた。また、「市場の需要を認識しつつ、事業運営と消費者保護に関する明確な基準を設けるモデル」が最も成功する可能性が高いとの見方を示した。

規制の明確性が投資判断に影響

規制手法の違いは投資判断にも影響を及ぼしている。カルデロン氏は、事業者はライセンス要件が明確で、規制環境が予測しやすい法域をますます重視していると述べた。「コンプライアンスは、もはや単なる法的義務ではなく、ビジネス上の優位性と見なされるようになっています。」

チャクラヴァルティ氏は、長期的な事業機会を評価する企業にとって、規制の確実性が重要な判断材料になっていると語った。「今後は、明確なライセンス取得ルートを提供する法域に大手事業者の投資が集中し、政策の方向性が不透明または断片的な市場への投資は縮小していく可能性が高いでしょう。」

各国政府がギャンブルとオンラインゲーミング政策を見直し続ける中で、投資家にとっては市場規模と同様に、規制の安定性が重要な要素となっている。

海外市場への流出という課題

規制当局が直面する重要な課題の一つは、取締りの強化がギャンブル需要そのものを減少させるのか、それとも利用者を海外市場へ流出させるだけなのかという点である。カルデロン氏は、合法かつ適切に規制されたゲーミング商品が利用できない場合、利用者は無認可サービスへ流れる可能性があると指摘した。「認められている地域で合法かつ適切に規制されたゲーミング商品にアクセスできなければ、多くの人は海外サイトや暗号資産プラットフォーム、その他の無認可チャネルを通じて代替手段を探すことになるでしょう。」

公共政策シンクタンクのCUTS Internationalによる調査では、オンラインのリアルマネーゲームへの規制強化後、インドでは海外ベースのベッティング利用が増加したことが確認された。また、タミル・ナードゥ州で実施された別の調査では、州レベルの規制導入後、回答者の83%が海外ベッティングプラットフォームの利用を継続、あるいは新たに利用し始めたことが分かった。

チャクラヴァルティ氏は、同様の傾向は他の市場でも見られると述べた。「歴史が繰り返し示してきたように、ベッティングやゲーミングへの需要は、アクセスを制限しただけで消えるものではありません。」

アジア各国がギャンブル法を見直す中でも、この地域全体で共通する一つの潮流が生まれる兆しはほとんど見られない。むしろ、より厳格な規制を選ぶ国と、ライセンス制度や規制、法執行によって市場を管理する道を選ぶ国とで、それぞれ異なる方向へ進んでいる。

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