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CFTC、ウィスコンシン州の予測市場訴訟で逆風

Sudhanshu Ranjan
執筆者 Sudhanshu Ranjan
翻訳者 Hanako Takagi

米ウィスコンシン州東部地区連邦地方裁判所は、スポーツ関連の予測市場(Prediction Markets)を巡る訴訟において、**商品先物取引委員会(CFTC)**が求めていた仮差止命令(Preliminary Injunction)の申立てを却下した。この判断により、訴訟が継続する間も、ウィスコンシン州は予測市場事業者に対して州のギャンブル法を適用し続けることが可能となった。これは、ゲーミング分野の弁護士でありスポーツベッティング法の専門家であるダニエル・ウォラック氏が報じた。

ウィリアム・グリースバック判事は、CFTCには仮差止命令を認める要件が満たされていないと判断し、州側にとって手続き上の勝利となった。本件の争点は、スポーツ関連イベント契約を商品取引法(Commodity Exchange Act:CEA)に基づく連邦監督下の金融商品として規制すべきか、それとも州のギャンブル法に基づくスポーツベッティングとして扱うべきかという点にある。

CFTCが差止命令を求めた理由

ウィスコンシン州が予測市場事業者に対してギャンブル法の執行を開始したことを受け、CFTCは仮差止命令を求めた。同委員会は、将来の出来事を対象とし、連邦規制下の取引所で売買可能な契約は、州法が規制するギャンブルではなく、CEAに基づく金融デリバティブとして分類されるべきだと主張した。CFTCは、このような契約を州ごとに規制すれば、連邦規制市場において一貫性を欠き、不安定な状況を招くと考えている。

しかし、ウィリアム・グリースバック判事は、CFTCが仮差止命令に必要な法的要件を満たしていないと判断した。これには、勝訴する可能性の高さ、回復不能な損害が生じること、そして差止命令を認めることが利益衡量上適切であることを示す必要があるが、判事は同委員会がこれらを立証できていないと結論づけた。

裁判所はまた、スポーツイベントに関する契約が、連邦商品法の適用対象となるスワップやデリバティブに該当するかについても疑問を呈した。さらに、ウィスコンシン州のギャンブル法は連邦法と抵触しないとの判断も示した。

連邦政府と州の権限を巡る争い

本件の根本的な争点は、スポーツイベント契約を連邦法で規制すべきか、それとも州法で規制すべきかという点にある。2018年にProfessional and Amateur Sports Protection Act(PASPA)が廃止されて以降、各州はスポーツベッティングを広く自主的に規制できるようになり、ライセンス制度や税率、消費者保護制度は州ごとに異なる仕組みとなっている。

一方で、CFTCは予測市場はCEAの適用対象であり、連邦政府が規制する金融商品であると主張している。これに対し、ウィスコンシン州はスポーツイベントへの賭けはギャンブルに相当するため、州のギャンブル法の管轄下にあると主張しており、ウィリアム・グリースバック判事は仮処分段階において州側の見解を支持した。

州が予測市場事業者を提訴

ウィスコンシン州は、予測市場を巡る法的紛争に関与する9州の一つとなっており、CFTCは引き続きこの分野に対する自身の管轄権を主張している。この議論の中心には、スポーツイベント契約を連邦規制下の金融商品として扱うべきか、それとも通常は州法が規制するスポーツベッティングとして扱うべきかという問題がある。

ウィスコンシン州司法長官ジョシュ・コール氏は、5社の予測市場事業者を相手取り訴訟を提起し、州民を対象に事実上違法なギャンブル事業を運営していたと主張している。同氏は、ベッティング取引を投資と表現したとしても、その本質は変わらないと主張している。

コール氏は、消費者がスポーツイベントの結果に金銭を賭けているのであれば、その行為は連邦の商品規制ではなく、ウィスコンシン州のギャンブル法の適用対象となるべきだと述べた。

予測市場プラットフォームに対する訴訟は、ウィスコンシン州が関与するより広範な法的問題の一部に過ぎない。同州はまた、州内でカジノを運営する連邦政府公認部族「Ho-Chunk Nation」が関与する別の訴訟にも関係している。

一方、Kalshiは今週ニューヨーク州でも別件で敗訴し、すでに事業制限を余儀なくされているネバダ州やミシガン州に続き、新たな逆風に直面している。

ミネソタ州では異なる判断

ウィスコンシン州ではCFTCの緊急救済申立てが却下された一方、ミネソタ州では異なる判断が下された。連邦判事は、ミネソタ州の新たな予測市場法について、一時的に施行を差し止める決定を下し、訴訟が継続する間は現行の規制制度が維持されることとなった。

キャサリン・メネンデス判事は、原告側が連邦法による州法排除(Pre-emption)に関する主張について十分な勝訴可能性を示しており、一時的救済を認めるに足ると判断した。この決定は、将来的にミネソタ州で予測市場が認められるかどうかを判断したものではないが、少なくとも現時点では禁止措置の即時施行を阻止するものである。事業者にとっては、裁判所が最終判断を下すまでスポーツイベント契約を提供し続けられるという一時的な勝利となった。

NCLGS決議

最近、National Council of Legislators from Gaming States(NCLGS)は、ギャンブル規制について州および部族が主導権を持つことを支持する決議を全会一致で採択した。州議会議員らは、予測市場に対する連邦政府の権限拡大が、現在の規制制度へ影響を及ぼすことを懸念している。

この決議では、部族主権の重要性についても言及されている。多くの部族は州との協定(Tribal-State Compact)に基づいてゲーミング施設を運営しており、予測市場の拡大は法的・経済的な課題を双方にもたらす可能性がある。

今後数か月間、予測市場は引き続き米国で重要な争点となる見通しだ。まず、CFTCはウィスコンシン州での判断を不服として上訴する可能性が高く、連邦裁判所ではさらに複数の訴訟が進行中である。同時に、各州当局もスポーツベッティングに対して独自のギャンブル法を引き続き執行するとみられる。

もう一つの焦点は、CFTCが提案しているスポーツ関連契約に関する新たな規則である。より明確な連邦規則が整備されれば裁判所の判断指針となる可能性はあるが、州側がギャンブル規制は自らの権限だと主張し続ける限り、法的紛争は続く可能性がある。また、連邦議会が法改正を行い、スポーツ予測市場を商品規制の対象とするのか、ギャンブル規制の対象とするのか、あるいは両者を組み合わせた制度とするのかを明確化する可能性もある。

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