米商品先物取引委員会(CFTC)は、4つの予測市場プラットフォームに対しノーアクション・レターを発行し、取引データの報告および保存方法に関して限定的な救済措置を与えた。
対象となったのは、Polymarket US、LedgerX、PredictIt、Gemini Titanの4社である。CFTCは、一定の条件が満たされる限り、取引データの報告方法に関する特定の不備について、当面は執行措置を取らないとしている。
ただし、これは規則そのものが変更されたことを意味するものではない。あくまで、既存の要件に報告システムの一部を適合させるための猶予期間を与える措置にすぎない。
このような対応はここ数か月で2度目となる。9月には、Polymarketが米国市場へ再参入する際に買収したQCX LLCに対しても、同様の救済が認められていた。
今回の救済措置の対象
12月に発行されたレターは、CFTC規則のパート43および45に特化したものである。これらは、取引データの当局への報告方法や、記録の保存期間を定めている。
これらの規則は従来型の市場を想定して策定されており、イベントベースの契約に適用することは、特に急成長してきたプラットフォームにとって複雑さを伴ってきた。
ノーアクション・レターの条件として、4社はいずれも、すべての契約を完全に担保することが求められる。すべての未決済ポジションは、支払いを全額履行できるよう裏付けられていなければならない。
また、約定、価格設定、決済に関する詳細な内部記録を維持する必要がある。CFTCはいつでもこの救済を撤回する権利を保持しており、今回のレターは他の規制義務には一切適用されない。
実務的には、この決定により、予測市場向けに設計されていなかった報告要件にシステムを適合させるための時間的余裕が与えられたことになる。
なぜ予測市場はCFTCの管轄なのか
米国における予測市場は、ギャンブル商品ではなくデリバティブとして規制されているため、州のギャンブル当局ではなく、連邦レベルでCFTCの監督下に置かれている。
この区分により、予測市場はスポーツブックでは不可能な形で全米展開が可能となってきた。一方で、政治イベントや経済指標の発表などにより取引量が急増する局面では、監督の目も厳しくなっている。
成長がインフラを上回る現実
今回のノーアクション・レターのタイミングは、この分野の急速な成長を反映している。KalshiやPolymarketといったプラットフォームでは、大きなニュースサイクルの際に取引が急増し、もともと小規模市場向けに構築されたシステムに負荷がかかっている。
Gemini Titanは、指定契約市場(DCM)として最近承認を受け、長期にわたる申請プロセスを経て、正式に予測市場へ参入した。MIAX傘下で運営されるLedgerXも、規制上の再編後に提供内容の拡充を続けている。
新規参入が進む中で、正確な報告の重要性は一段と高まっている。CFTCは取引データを通じて、市場行動、リスクエクスポージャー、連邦規則への準拠状況を監視している。
一時的な猶予であり、政策転換ではない
CFTCは今回の措置を、短期的な調整以上のものとして位置づけていない。基準そのものは変更されておらず、プラットフォームは最終的に完全な報告要件を満たすことが引き続き求められる。
報告インフラが整備途上にある間は一定の柔軟性が認められているが、担保、記録、透明性に関する期待水準は変わっていない。規制当局は、最終的な基準を維持したまま、イノベーションを限定的に許容している。
予測市場が金融企業や暗号資産関連企業からさらに注目を集めるにつれ、規制は慎重かつ段階的に進化していくと見られる。今回のノーアクション・レターは、監督を緩めることなく成長を管理しようとする規制当局の姿勢を示している。
技術的には限定的な救済措置であるものの、予測市場が規制当局、立法関係者、競合他社から一段と注目を集める局面で発行された点は重要だ。各プラットフォームが報告義務をどれだけ確実に履行できるかが、今後どの程度の規制上の柔軟性が認められるかを左右することになるだろう。
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