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台湾、初の暗号資産法を制定 FSCが規制を担当

Jefferson Mendoza
執筆者 Jefferson Mendoza
翻訳者 Hanako Takagi

台湾の立法院は、同国初となる暗号資産に特化した法律「Virtual Asset Service Act」を可決した。この法律により、すべての仮想資産サービスプロバイダー(VASP)は、事業を行う前に金融監督委員会(FSC)からライセンスを取得することが義務付けられる。

この画期的な法律により、台湾は資産分別管理やステーブルコイン規制において日本やEUと足並みを揃え、アジアでも厳格な暗号資産規制を採用する地域の一つとなる。ライセンス制度や罰則については、香港や韓国を上回る厳しさとなっており、ステーブルコインに関する規定は米国のGENIUS Actと類似しているものの、罰則は台湾の方が一段と厳格である。

ライセンス制度

この法律は、2024年に最後の改正が行われたマネーロンダリング防止法(AML法)に基づく従来の登録制度に代わり、より厳格な事前承認制度を導入する。

今後はFSCが暗号資産に関する唯一の規制当局となり、ライセンスの付与、監督、法執行を担う。監督体制も、従来の比較的緩やかなAML登録制度から、投資家保護、市場の安定、国際的なコンプライアンスを目的とした銀行並みの監督制度へと移行する。

VASPは、取引所、売買プラットフォーム、送金、カストディ、引受業務、レンディングなど、事業区分ごとに個別のライセンスを取得しなければならない。従来型の金融機関もライセンス申請が可能となり、規制対象となる事業者の裾野が広がる。一方で、この法律は投資家保護、監督体制の強化、イノベーションと消費者保護の両立という明確な目的を掲げている。

ステーブルコインの監督

法律には、ステーブルコインに関する独立した章も設けられている。発行体は、中央銀行との協議を経た上でのみ付与されるFSCの承認を取得しなければならない。また、発行体は国内の金融機関に全額準備資産を保有し、会社資金とは分別管理した上で信託管理することが義務付けられる。さらに、ステーブルコインには利息や利回りを付与することは認められない。発行体が債務不履行に陥った場合には、保有者は準備資産に対して優先的な請求権を有する。

投資家保護を重視する立場からは、こうした措置は歓迎されている一方、業界関係者はステーブルコインの発行やカストディ分野を協業の機会と捉えている。しかし、小規模事業者にとっては、コンプライアンス対応コストや厳しい罰則が大きな負担となる可能性がある。

厳格化された罰則

制裁措置も大幅に強化された。無許可で営業した場合、最長7年の禁錮刑および最高1億台湾ドル(約310万米ドル)の罰金が科される可能性がある。これは従来の最長2年の禁錮刑および最高500万台湾ドルから大幅な引き上げとなる。

さらに、詐欺や市場操作については、3年以上10年以下の禁錮刑と、1,000万台湾ドル(約31万米ドル)から2億台湾ドル(約620万米ドル)の罰金が科される。これらの措置は、台湾が従来の「緩やかな規制」から、アジアでも最も厳格な暗号資産規制体制の一つへ転換したことを示している。

移行スケジュール

法律の施行後、既に登録済みの事業者も、定められた期間内にライセンスを申請しなければならない。FSCによると、2027年第1四半期までに関連する下位規則を策定し、制度運用に必要な詳細を明確化する予定である。また、台湾の制度は、マネーロンダリング対策およびテロ資金供与対策に関するFATFの勧告とも整合しており、信頼性の高いフィンテック拠点としての地位確立を目指している。

現在、暗号資産規制は世界的に政策立案の段階から本格的な運用段階へと移行している。ステーブルコインの監督、カストディ規則、情報開示制度は複数の法域で既に運用されており、各種報告書によれば、FATF、OECD、バーゼル銀行監督委員会などの国際機関の基準も収れんしつつある。ただし、執行の厳格さについては地域ごとの差が依然として残っている。

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