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タイ総選挙の結果、ゲーミング業界には逆風となる可能性

Ansh Pandey
執筆者 Ansh Pandey
翻訳者 Hanako Takagi

タイの証券市場は、与党ブームジャイタイ党が総選挙で圧勝したことを受け、政治的安定と政策の継続性への期待から好意的に反応した。SET指数は44.43ポイント上昇して1,398.44となり、SET50も32.01ポイント高の941.39となった。出来高も膨らみ、市場の先行きに対する信頼回復を示している。ただし、この楽観ムードは同時に、タイのゲーミング産業にとって新たな懸念も浮き彫りにしている。

これは、アヌティン・チャーンウィラクン首相率いる同党が総選挙に勝利し、次期政権を樹立するうえで有利な立場を得たことを受けたものだ。投資家は、政権移行が円滑に進み、経済政策に大きな変更がないと見込んで安心感を示した。一方で、この結果は、より予測不能な展開を期待していた一部、特にゲーミング業界にとっては失望をもたらした。

ブームジャイタイ党が主導権を掌握

アヌティン氏率いるブームジャイタイ党は、定数500の下院で最多議席を獲得する見通しで、次期政権を組織する立場にある。地元メディアによれば、同党は194議席を確保する可能性が高いという。この結果により、長期化しかねない連立交渉のリスクは後退し、投資家からは最も市場に好ましいシナリオと受け止められている。

アヌティン・チャーンウィラクン首相(出典:Facebook)

アナリストは、長年続いた政治的不安定と断続的な改革の後だけに、財政・経済政策の継続性が歓迎されると指摘する。市場関係者は、小売、運輸、観光といった伝統的産業が安定の恩恵を受けると見ている。クルンタイ銀行も、ブームジャイタイ党主導の連立政権は、財政政策やインフラ投資の予見可能性を提供する点で、短期的に最も市場寄りの結果だと投資家が評価していると述べた。

また、カシコン・リサーチ・センターのエコノミストは、明確な選挙結果により政権樹立が迅速に進み、政治的不確実性が低下するとともに、日用品の価格負担を軽減する共同負担型補助金制度など、消費者重視の政策が継続されるとの見方を示した。

金融面では友好的、ゲーミングには逆風

金融面では、今回の選挙結果により、タイ銀行が追加刺激策を講じる圧力が和らぐと見られている。OCBCのエコノミストは、ブルームバーグの報道として、安定した経済の勢いを背景に、政策金利は2026年まで据え置かれる可能性が高いと指摘した。

しかし、ゲーミング業界にとって見通しは明るくない。アヌティン氏はこれまで一貫してカジノ合法化に反対しており、昨年に改革案が頓挫した際にも中心的な役割を果たした。観光回復や海外投資を呼び込む起爆剤として期待されていたエンターテインメント複合施設法案は、経済成長の鈍化や中国本土からの観光客減少に苦しむタイにとって重要と見られていた。

選挙後、アヌティン氏は今回の結果をタイが「安定した状態」に入ったことを意味すると表現し、合法カジノ、憲法改正、軍の影響力縮小といった論争的な改革が、再び政治課題として浮上する可能性は低いとの見方を強めた。

業界関係者の間では、他国が規制されたカジノやエンターテインメント計画を進め、外国人観光客や投資を呼び込む中で、タイが地域の競争国にさらに後れを取るのではないかとの懸念が高まっている。観光回復がなお不均一で、中国人観光客数もパンデミック前の水準を下回る中、新たな娯楽主導の成長戦略が欠如することは、長期的な競争力に重荷となりかねない。

総じて、今回の選挙は投資家が最も重視する「明確さ」と「継続性」をもたらした。一方で、タイのゲーミング分野への参入を狙う投資家にとっては、改革への道が閉ざされたかのような不透明感が残る結果となった。

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