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政治危機の中、タイはカジノ法案を撤回へ

Jenny Ortiz-Bolivar
翻訳者 Hanako Takagi

タイ政府は、国民の反発の高まりと政治的不安定化を受け、現在の国会会期中に提案していた「エンターテインメント複合施設法案」を撤回する方針を示しました。ブルームバーグの報道によると、この動きは主要連立政党の一つであるブムジャイタイ党が与党連合から離脱し、パートンタルン・シナワトラ首相が倫理違反の疑いで職務停止となったことを背景としています。

法案は先週の国会再開後、立法の最優先課題と見なされていましたが、政府のキーチ・チャイナロー政務調査会長は地元記者団に対し、水曜日に法案撤回の動議を提出し、代わりに恩赦法案に注力する計画を明らかにしました。ブムジャイタイ党の支持を失ったことで、与党連合は下院での明確な過半数を失い、今後数か月の間に論争の多い法案を通過させる能力に疑問符がついています。

上院委員会がカジノ計画の透明性を疑問視

上院の委員会は法案の法的・財政的内容について複数の懸念を表明しました。問題点として挙げられたのは、カジノ開発地としてのクロントイ港の選定プロセス、カジノライセンス発行の基準、そして法案が5つの別々のカジノ設置を承認しているかのような表現です。

また、土地利用に関する条項が現行の収用法に抵触する可能性や、経済モデルがカジノ収益に過度に依存しているのではないかという指摘もありました。タイの議員や市民団体は、政府に対し財政構造と規制枠組みの明確化を求め、提案の再検討を促しています。

首相職務停止がさらなる不確実性を招く

東南アジアのこの国では、憲法裁判所がパートンタルン首相を職務停止としたことで政治的緊張が高まっています。これは、首相が元カンボジア首相フン・セン氏との通話中にタイ軍を批判した内容が流出したことに関連し、倫理規範違反の疑いが審査されています。

首相の職務停止により指導力の空白が生まれ、副首相のアヌティン・チャーンウィラクル氏が暫定的に職務を引き継ぐ見込みです。政府は不信任案提出の可能性や内部対立の激化に直面しています。

カジノ規制と国民の反対  

エンターテインメント複合施設法案は、厳しい条件の下でカジノを合法化することを目的としていました。指定複合施設内のギャンブルエリアは全体の10%に制限され、カジノは他の施設と物理的に隔離され、国民IDやパスポートによる入場管理が義務付けられます。

物議を醸した条項として、タイ国民がカジノに入場するには最低5,000万バーツ(約1,300万円)の預金を保有していることが求められました。批判者はこの規定を「エリート主義的」であり、問題ギャンブルや違法営業の拡大といったより広範な懸念に対処していないと指摘しています。

先週、ギャンブル反対基金(The Stop Gambling Foundation)と公衆衛生・地域リーダーらは首相官邸に請願書を提出し、政府に提案の再考を求めました。彼らは合法化されたギャンブルの長期的な社会的影響、特に低所得層の家庭における借金増加や家庭内暴力の悪化を懸念しています。

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