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Watch: EU資金はマルタのビジネスを変革できるのか?

Naomi Day
執筆者 Naomi Day
翻訳者 Hanako Takagi

SiGMAのB2Gシリーズの一環として、マルタの市民や企業をEUの機会とつなぐ政府機関Servizzi Ewropej f’Malta(SEM)のCEO、ロデリック・ゼラファ氏が登場。EU資金やデジタル化、持続可能性、ビジネス支援に至るまで、SEMがどのように企業のアイデアを実行可能なプロジェクトへと変え、その実現に向けて資金面でも支援しているのかを詳しく解説します。

EUの機会をマルタへつなぐ架け橋

SEMは、国内におけるEU関連業務のワンストップ窓口として機能している。ゼラファ氏によれば、同機関の中核的な使命は「ヨーロッパ連合を、マルタおよびゴゾの市民により身近な存在にすること」だという。

これには、EU内での機会や義務に関する情報提供だけでなく、EU資金申請の実践的な支援も含まれている。SEMのサービスは、農業従事者、漁業者、企業、地方議会、NGOまで幅広く対象としており、あらゆる分野がEUの取り組みを理解し、その恩恵を受けられるようにしている。

「私たちは市民へのEU資金の入り口です。EU資金が真に効果を発揮するよう、最初から最後まで誰もが支援を受けられるようにすることが私たちの目標です」とゼラファ氏は説明する。

あらゆる段階で企業を支援

SEMはこれまで主にNGOや政府機関を支援してきたが、近年ではその焦点を企業支援にも拡大している。この方向転換は2023年に正式に評価され、SEMはマルタ企業をEU資金調達プロセスで導いた功績によりナショナル・ビジネス・サポート賞を受賞した。

資金機会の特定から、欧州委員会の優先分野(デジタル化や持続可能性など)との整合性に関する助言まで、SEMは企業が助成金を適切に申請・活用できるよう徹底的にサポートしている。ゼラファ氏によると、マルタは2021~2027年のEU資金サイクルで約4,000万ユーロが企業成長向けに割り当てられており、その多くが国のビジネスの99%を占める中小・零細企業支援に重点を置いているという。

「私たちの目的は、企業が欧州委員会の優先事項を理解し、デジタル化やグリーンディールといったEUの目標に沿ったプロジェクトを推進できるよう支援することです」とゼラファ氏は述べている。

デジタル化と持続可能性を中核に

EU資金は近年、環境の持続可能性とデジタル変革にますます重点を置いている。SEMは、紙の使用削減から高度なソフトウェア導入まで、こうした優先課題を企業のプロジェクトに組み込むための支援を行っている。

「企業が成長する際も、自社の事業や開発プログラムの持続可能性を常に考慮する必要があります。これは、私たちのあらゆる資金スキームにおいて非常に重要な要素です」とゼラファ氏は強調する。

またSEMは、データ共有、AI統合、サイバーセキュリティの促進を目的とする75億ユーロ規模の「デジタル・ヨーロッパ計画」など、EUの中央集権型プログラムの理解を企業に促し、活用方法を指南している。

パーソナライズされた支援

SEMの大きな特長のひとつが、企業ごとに専任担当者を配置するパーソナライズド・サービスだ。初期のアイデア形成から助成金申請、プロジェクト実施に至るまで、担当者が一貫して伴走することで、申請者が安心して取り組めるよう支援している。

「プロジェクトの最初の段階から最後まで理解してくれる担当者がいることは、クライアントにとって非常に大きな安心です。私たちは企業と共に歩み、EU資金の恩恵を最大限に引き出せるようサポートしています」とゼラファ氏は語る。

こうした実践的で手厚い支援は、企業が苦手意識を持ちがちな官僚的手続きのハードルを下げ、EU資金へのアクセスをより身近で現実的なものにしている。

アクセスしやすさと未来志向

SEMは、企業がオンライン、SNS、電話、対面相談など、複数のチャネルを通じて気軽にサービスを利用できるよう体制を整えている。また、たとえまだ構想段階であっても、早めにアイデアを提出するよう企業に呼びかけており、SEMがそれを最適なEUプログラムへと結びつけるサポートを行っている。

今後SEMは、Business First、Digital Innovation Authority(デジタル革新庁)、そしてマルタ企業との連携をさらに深め、特に人工知能(AI)などの分野でEUの優先課題と資金機会を積極的に取り入れていく方針だ。これにより、マルタがEUの取り組みの最前線に立ち続けることを目指している。

「夢を描くことは大切です。アイデアを持ってきてください。私たちがEUプログラムに合う形に一緒に整えます。サービスはすべて無料で、企業が官僚的手続きを恐れることなく、その恩恵を最大限に享受できるようにするのが私たちの使命です」とゼラファ氏は締めくくった。

SEMの活動は、政府機関がEU資金と地域企業をつなぐ重要な架け橋となり得ることを示している。これにより、マルタはデジタル化・持続可能性・イノベーションを原動力とした、強靭なビジネス・エコシステムを育てているのだ。

SiGMA中央ヨーロッパ(11月3〜6日/ローマ)で、業界リーダーとつながり、国境を越えた協力の可能性を探り、あなたの次の大きなアイデアを支える資金活用のヒントを見つけよう。