Flutter Entertainment(フラッター・エンターテインメント)は、2025年7月31日に Boyd Gaming が保有していた FanDuel の残り5%の株式を取得し、FanDuel(ファンデュエル)を完全子会社化しました。この取引は、2025年7月10日に合意が発表されていたもので、総額は17億5500万ドルに上ります。また、Flutter は Boyd がカジノを運営する州での市場アクセスを継続できるよう、パートナーシップ契約も延長されました。この取引により、米国のオンラインベッティング市場における両社の所有構造と事業運営に影響を与えることになります。
戦略的買収の内訳
Flutter は Boyd Gaming が保有していた FanDuel の残り5%の株式を15億8000万ドルで取得し、さらにパートナーシップ条件を見直すために2億ドルを追加支払いました。これにより Flutter は FanDuel を完全所有することになり、米国市場での戦略と一致します。
Flutter は2018年に FanDuel の過半数株式を取得しました。それ以来、FanDuel は米国市場で大きく成長してきました。今回の完全所有化により、Flutter は FanDuel の事業運営と収益のすべてを管理できるようになります。なお Boyd Gaming は引き続きパートナーとして関与し、合意は2038年まで延長されました。Flutter は2026年まで Boyd がネバダ州以外で運営する実店舗型スポーツブックを管理し、その後は Boyd が運営を引き継ぎます。一方で Flutter は、これらの州における FanDuel のオンライン事業について固定料金を支払い続けます。
米国スポーツベッティング市場の変革
FanDuel が Flutter の完全傘下に統合されることで、業務効率の向上や新商品の展開が米国内で期待されています。Flutter は他のグローバルブランドを運営してきた経験と技術を FanDuel の成長に活かします。完全所有化により、Flutter は FanDuel の米国事業に関する意思決定、商品開発、収益管理のすべてを担います。また、この取引は Boyd Gaming が事業を展開する州での市場アクセス費用を2025年7月1日から削減する効果もあり、利益率や収益性の向上が見込まれます。
Flutter Entertainment のCEOピーター・ジャクソン氏は、2018年の FanDuel 買収が同社の歴史の中でも特に重要な出来事であったと述べています。今回の FanDuel の完全所有化についても戦略的価値を強調し、Boyd Gaming を長年のパートナーとして評価しました。このパートナーシップは2038年まで延長されます。
ジャクソン氏は次のようにコメントしています:「2018年の FanDuel 買収は当社グループの歴史の中でも最も変革的な出来事の一つでした。Flutter Edge の能力と FanDuel が本来持つ競争優位性が合わさり、米国のオンラインスポーツベッティングとiGaming分野で圧倒的リーダーへと成長を遂げました。」
さらに次のようにも述べています:「FanDuel の所有権を100%に引き上げることで、株主の皆さまにさらなる価値を提供できることを嬉しく思います。Boyd は FanDuel にとって素晴らしいパートナーであり、この重要な戦略的パートナーシップを2038年まで延長できたことを大変喜ばしく思います。」
Flutter の他の大規模買収
Flutter は FanDuel を買収する前、2020年に The Stars Group を120億ドルで買収し、PokerStars や FOX Bet をポートフォリオに加えました。さらに2021年には、イタリアのゲーム運営会社 Sisal を22億5000万ドルで買収し、欧州の宝くじ・ベッティング市場での影響力を拡大しました。
また Fox Sports は、2030年12月3日までに FanDuel 株の18.6%を取得するオプションを依然として保有しています。この価格は2020年12月3日時点の FanDuel の評価額を基準に年率5%の増加で決定され、現時点の試算では約45億ドル程度となっています。
財務的および戦略的影響
2025年第1四半期、FanDuel の売上高は前年同期比19%増の16億7000万ドルを記録しました。米国の公認スポーツブック市場全体の純収益のうち、48%を FanDuel が占めています。FanDuel は米国のオンラインスポーツベッティングアプリの中でも最も利用されており、現在26州でサービスを展開しています。
Flutter が FanDuel を完全に買収したことで、すべての利益を保持し、運営・財務・規制の面でも全面的な責任を負うことになります。この新たな体制により、運営の柔軟性が増し、利益率の向上も期待されます。今後、FanDuel は米国内でさらに事業を拡大し、メディア統合やリアルタイム番組などの新機能を導入する可能性もあります。



