Skip to content

デジタル接続性への投資でiGaming成長を狙うフィリピン:専門家

Jenny Ortiz-Bolivar
翻訳者 Hanako Takagi

フィリピン政府が国家デジタル接続計画(NDCP)を承認したことで、iGamingを含むオンライン産業の事業環境は大きく変わろうとしている。全国的なインターネット接続の改善が、経済および規制発展の中核的な柱として位置付けられたためである。

NDCPは、1月26日に開催された第7回経済・開発(ED)評議会で承認されたもので、デジタル接続を国家的優先事項とする政府の方針を正式に明文化した。マニラのバハイ・パングロ・パビリオンでフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領が議長を務めた同会合では、この計画が2024年大統領令第72号と整合していることも確認された。

安定性、高速性、安全性を備えたインターネット接続を、運営、コンプライアンス、プレイヤー体験の基盤とするフィリピンのiGaming業界にとって、NDCPは単なるインフラ整備にとどまらず、市場拡大、プレイヤー保護、規制執行にまで影響を及ぼすと専門家は指摘している。

国家的な接続目標とスケジュール

情報通信技術省(DICT)はプレスリリースで、「フィリピンはデジタルの未来に向けて全速力で進んでいる」と述べ、NDCPを「2028年までにすべてのフィリピン国民が高速で信頼性が高く、手頃な価格のインターネットにアクセスできるようにするための政府の戦略的ロードマップ」と位置付けている。

計画によれば、政府は公立学校、バランガイ(最小行政区)、医療センターを含むすべての公共機関と地域での完全接続を目指しており、「全国で13万か所の無料Wi-Fi拠点」を整備する方針だ。また、800万人のデジタル雇用創出と、インターネットコストの40~80%削減も目標に掲げている。

さらに、国際水準に近づくための通信速度の指標も示されており、平均ブロードバンド速度をモバイルで225Mbps、固定回線で275Mbpsまで引き上げることを目指している。

デジタル格差と経済格差の是正

SiGMAニュースの取材に対し、ゲーミング業界のベテランであるジョナス・ディエゴ氏は、通信インフラへのアクセスは、依然として国内の経済的成果に影響を与えていると指摘した。「NDCPは、ブロードバンドの展開を加速し、インターネットコストを引き下げ、フィリピン全土で信頼性が高く、安全で包括的なデジタルアクセスを確保することを目的としている」と述べている。

同氏はまた、「最終的な目標はデジタル格差を解消し、手頃で高速、かつ誰もが利用できる接続環境を備えた『デジタルにつながるフィリピン』を実現することだ」と語った。

ディエゴ氏は、接続格差が消費者の不便にとどまらず、より広範な影響を及ぼしていると警告する。「都市や自治体における不十分なデジタルアクセスは、不平等を拡大し、地域経済の成長を鈍らせ、行政の効率を低下させ、教育、医療、雇用の機会を制限する」と述べた。

この状況を同氏は、「信頼できるインターネットを持たない地域が競争力や社会的包摂の面で後れを取る『デジタル貧困の罠』」と表現している。

フィリピンiGaming成長への影響

ディエゴ氏によれば、全国的な接続性の改善は、iGaming事業者がプレイヤーベースを拡大し、よりスムーズな体験によって定着率を高め、モバイルファーストのプラットフォーム、ライブベッティング、没入型コンテンツを通じた製品革新を促進する可能性がある。

また、インフラ議論では見落とされがちな、プレイヤー保護や責任あるギャンブルの強化にもつながると指摘している。

接続格差と闇市場ギャンブル

ディエゴ氏は、脆弱なインフラがオンラインギャンブル分野において予期せぬ結果を生んでいると主張する。「全国的な接続の弱さは、違法事業者が悪用する隙間を生み、結果としてフィリピンにおける闇市場のオンラインギャンブルを強化してしまっている」と述べた。

正規ライセンス事業者のサービスが不安定になると、プレイヤーは別の選択肢を探す傾向があるという。「正規プラットフォームが安定したサービスを提供できない場合、プレイヤーは、よりアクセスしやすく、安価で、インフラの弱さに強い無規制の代替手段に流れることが多い」と説明した。

こうしたプラットフォームは「多くの場合、海外または地下で運営され、低帯域向けに最適化された、より軽量で安全性の低いシステムを使用している」という。正規事業者とは対照的に、「闇市場の事業者は、簡素化されたアプリやSMSベースのベッティングを用い、弱い接続環境でも機能するよう設計している」と述べている。

「そのため、正規プラットフォームが安定して機能しない地域では、より魅力的に映ってしまう」と付け加えた。

規制監督と執行上の課題

「しかし、PAGCOR(フィリピン娯楽・ゲーミング公社)や規制当局は、デジタル監視ツールに依存している」とディエゴ氏はSiGMAニュースに語った。「接続環境が悪い地域では監督が困難となり、違法事業者が見過ごされたまま繁栄する余地が生まれる」

この影響は、国家歳入や消費者保護にも及ぶという。「その結果、税収やライセンス料は海外や地下の事業者に流れ、利用者は詐欺や消費者保護の欠如、搾取的な慣行にさらされることになる」

同氏は、この状況が「正規事業者の足を引っ張り、業界全体の成長を鈍らせる点で、iGaming業界にとっても有害だ」と指摘した。

「正確な数字はさまざまだが、フィリピンは毎年、闇市場ギャンブルによって数十億ペソ規模の損失を被っていると推定されており、無規制事業者がオンラインベッティング収益の相当部分を吸い上げている」と、その深刻さを強調した。

規制を支える基盤としてのNDCP

NDCPが掲げる4つの中核的成果には、ガバナンス強化、公的・民間投資の拡大、手頃な接続環境へのアクセス改善、ネットワークの強靭性向上が含まれる。重点施策としては、「国家光ファイバーバックボーンの完成」、海底ケーブル陸揚げ拠点の拡充、次世代モバイル技術の加速、地理的に孤立し不利な地域への重点的な接続整備が挙げられている。

アグダ氏は、この計画がインフラと競争力を直接結び付けていると述べた。「接続ガバナンスの改善、インフラ整備の加速、未整備地域へのアクセス拡大を通じて、NDCPは経済競争力、デジタル雇用、そしてより効率的な行政サービスの提供を直接支える」と語っている。

規制当局と事業者の協調

ディエゴ氏は、インフラ整備だけでは成果は得られず、業界関係者が歩調を合わせて対応する必要があると強調した。「NDCPを最大限に活用するためには、PAGCORと事業者の協力が不可欠だ」と述べている。

特に協力が求められる分野として、「モバイルファースト最適化(闇市場事業者の手法から学ぶ点も含む)、拡張可能なインフラ、サイバーセキュリティと不正防止、責任あるゲーミングツール」を挙げた。

iGaming業界の重要ニュースを先取りしよう。世界最大級のiGamingコミュニティが提供する「SiGMAトップ10ニュース」カウントダウンで、週次の洞察や購読者限定の特典を手に入れてほしい。今すぐここから参加しよう。