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専門家:日本のギャンブル広告規制では微妙なさじ加減が鍵

Rajashree Seal
執筆者 Rajashree Seal
翻訳者 Hanako Takagi

海外のギャンブルサイトが日本人ユーザーを狙い、ローカライズされたマーケティングを行うケースが増える中、日本の規制当局は、こうしたプラットフォームがオンライン上でどのように宣伝されているかの監視を強化している。オンラインギャンブルは日本では違法であるにもかかわらず、数百万人が海外サイトにアクセスし続けており、そのため広告やアフィリエイトコンテンツへの注目が高まっている。

近月、日本当局はオンラインギャンブル活動の疑いで複数の著名人を捜査した。6月には、埼玉西武ライオンズの野球選手4人と球団関係者1人が検察に送致され、続いて、JO1の鶴房汐恩氏が外国のカジノサイトで約710万円(約4万9,018ドル)を失った疑いが報じられた。さらに5月には、読売ジャイアンツのオコエ瑠偉選手と増田大輝選手も、ブラックジャックやバカラなどで数百万円を賭けたとされ、海外プラットフォーム利用の疑いで送致された。これらの事例はいずれも日本法で禁止されている行為だった。

マニラで開催されたSiGMAアジア2025サミットで、Bay City Venturesのマネージングディレクターであるジョージ・コクリョウ氏は、日本は海外プラットフォームそのものよりも、マーケティングやソーシャルメディアのチャンネルに規制の焦点を移しつつあると述べた。

日本のオンラインギャンブルの現状:違法だが活発

コクリョウ氏は、今回の事例が日本における海外ギャンブル活動の規模を示していると指摘した。
「オンラインギャンブルは日本では違法です」と同氏は警察庁のデータを引用して述べた。実際、300万人以上が実際のお金を使って遊んだことがあり、そのうち約200万人が現在も継続的に利用しているという。警察庁の調査によれば、日本国内での年間利用額は約1.2兆円(約82億ドル)に達すると推計されている。

また同氏は、日本において大きな問題は、ギャンブルの合法・違法に関する国民の混乱だと説明した。政府調査では、回答者の43%がオンラインカジノが違法であることを知らなかった。さらに、競馬やスポーツくじなどの合法な賭けが「合法ベッティング」と表現され、「ギャンブル」とは呼ばれないことが、この誤解を助長していると指摘。こうした慎重な言葉遣いが、国民の理解にグレーゾーンを生み、政府が認める賭けと、違法な海外ギャンブルの区別をつけにくくしているという。

インフルエンサー取り締まりと責任追及へのシフト

コクリョウ氏は、日本における取り締まりのアプローチが時とともに変化してきたと述べた。2023年には、実際にお金を賭けてオンラインギャンブルを行う様子を配信したYouTuberが摘発され、約1万円(約68ドル)の罰金を科された。翌年には、海外カジノサイトへの紹介リンクを共有した別のインフルエンサーが送致された。

近年では、配信者、芸能人、スポーツ選手など、日本の著名人が、たとえ正式な起訴に至らなくても、オンラインギャンブルを認めたことで処分を受けるケースが増えている。多くの場合、公の場で謝罪を求められ、メディアで大きく報じられる。コクリョウ氏は、東京ジャイアンツの裕福な野球選手が起訴されチームから出場停止になった事例や、起訴されていないにもかかわらずテレビ番組を失った有名人の例を挙げた。「8〜9年前に遊んだことを認めただけで契約を多数失った人もいます」と同氏は述べた。

こうした“評判リスク”は、多くの企業にも行動を促しているという。
「特にビデオゲームやインターネット金融など、ゲーム関連の企業は、どんなギャンブルが許可され、何をしてはいけないのかについて、コンプライアンス研修を受けるようになっています」と同氏は説明した。

プレイだけでなく「宣伝」も標的に

日本はギャンブル関連法をさらに厳格化する準備を進めている。コクリョウ氏によれば、同国の「ギャンブル依存症対策基本法」が改正され、海外ギャンブルの参加だけでなく宣伝も取り締まりの対象になる予定だという。この改正は2025年9月25日から施行される見込みだ。

「次の国会で、ギャンブル依存症対策基本法に2つの項目が追加される予定です」と同氏は説明する。「1つ目は、アフィリエイトサイトやランキングサイトなどによるギャンブルの勧誘や宣伝。2つ目は、ユーザーをギャンブラーに誘導する無料カジノゲームの宣伝です。この2つが法律に加わります。」

取り締まりの実効性を高めるため、日本は新たな強権的措置ではなく、既存の規制枠組みを活用する方針だという。
「サイトブロッキングは日本では非常にセンシティブな問題です。情報にアクセスするのは私たちの法的権利です」と同氏は説明。「現時点で日本でブロックされているのは、未成年を想起させるアダルトコンテンツだけです。」

その代わり、戦略はギャンブルプラットフォームへの資金の流れをコントロールする方向にシフトしている。
「日本の多くの取引所は、ユーザーに『送金先に注意してください…送金を凍結する権利があります』というメールを送っています」と同氏は述べ、暗号資産取引所GMOコインから発出された最近の通知を例に挙げた。

カジノ関連の取り締まりが進む一方で、スポーツベッティングは異なる規制スケジュールにある可能性が高いという。
「現時点では、オンラインカジノよりもスポーツベッティングのほうが合法化・拡大に近づいていると思います」と同氏は話した。

スポーツベッティング:合法かつはるかに大規模

海外カジノが注視される一方、国内のスポーツベッティングは合法かつ急成長している。コクリョウ氏はスポーツエコシステム推進協議会のデータを引用し、日本の消費者がスポーツに賭ける金額は年間約5.4兆円(約368億ドル)で、オンラインカジノの4〜5倍にのぼると述べた。

合法的に人気の高い選択肢には、サッカーやバスケットボールを対象とする「toto WINNER」や、日本プロ野球(NPB)があり、特に野球は最も多くの賭けが行われている。ニュースではオンラインカジノが注目されがちだが、実際にはスポーツベッティングこそが日本における主要な合法ギャンブルとなっている。

事業者の適応:SEO、決済、コンプライアンスが焦点

コクリョウ氏は、間接的な宣伝であっても新法の対象になると警告した。多くのカジノSEO記事やランキングサイトは違法とみなされる恐れがあるという。
「YouTubeやDAZNのような配信プラットフォームで以前よく見かけた広告が、今はどんどん消えています」と同氏は指摘した。

日本の暗号資産取引所やカード決済事業者も対応を進めている。
「多くの取引所は、『ギャンブルに利用している』という理由で送金を凍結する権利があるとユーザーに通知しています。」

当局は、違法オンラインギャンブルに関与する個人を特定するため、クレジットカードの取引データを活用する傾向を強めている。コクリョウ氏によれば、警察は必ずしもユーザー名や暗号資産ウォレットを追跡しているわけではなく、カード送金の記録から立件しているという。

取り締まり強化、認知の追いつきが課題

コクリョウ氏は事業者に対し、「日本市場に参入するなら、微妙かつローカライズされた戦略が必須」だと強調した。これはもはや選択肢ではなく、日本の規制強化の中で生き残るための必要条件だ。改正法では、海外ギャンブルの直接的・間接的な宣伝の両方が対象となるため、事業者やアフィリエイトは従来型のマーケティング手法を見直す必要がある。

取り締まり手段は、金融取引の監視や通報制度の活用など、より精密化している。利用者がリスクを十分に理解していなくても、規制当局は確実に監視していることを示しており、法令知識だけでなく、日本特有の文化的・法的感覚への適合が今後は不可欠となる。

石灰岩の大地と晩夏の空の下、新たな鼓動が響き始める。2025年9月1日から3日まで、SiGMAヨーロッパ・地中海は、ゲーミングの次章を形作る1万2,000人の頭脳を迎える。これは単なる会議ではなく、動き続けるエコシステムだ。その設計図の一部になろう。