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オーストラリア(Australia)、新たなAMLおよびCTF規則を施行

Ansh Pandey
執筆者 Ansh Pandey
翻訳者 Hanako Takagi

オーストラリア(Australia)で新たなマネーロンダリング防止(AML)およびテロ資金供与対策(CTF)規則が施行され、カジノ、パブ、クラブなど金融犯罪のリスクが高いと見なされる事業者に対するコンプライアンス要求が一段と厳しくなりました。

この改革は、オーストラリア取引報告分析センター(Australian Transaction Reports and Analysis Centre, AUSTRAC)が2024年に導入したもので、当局によれば年間約820億豪ドル(約540億米ドル)に上ると推定される違法な資金の流れを抑制するための広範な取り組みとしています。

政府は、この新たな法律によりよりリスクベースの制度へと移行できると考えています。事業者は顧客を受け入れる前に潜在的リスクを評価し、継続的に監視することが求められます。これには身元確認、実質的支配者の確認、政治的に影響力のある人物(PEP)や制裁対象との関連のスクリーニングが含まれます。

事業者に義務付けられる確認作業

顧客デューデリジェンス(CDD)規則が強化され、リスクが高い個人に対してはより厳格な確認が求められ、低リスクの場合には簡素化された手続きが認められます。ギャンブル事業者については、報告対象額が1万ドルから5,000ドルに引き下げられ、監視対象となる取引範囲が拡大しました。

取引モニタリングも拡充されました。企業は顧客の行動を積極的に追跡することが求められており、異常な活動を警告し、懸念がある場合には「疑わしい事項報告書(Suspicious Matter Report)」の提出が求められます。経営陣には、AMLリスクの監督に明確な責任を負う役割がこれまで以上に重視され、企業はこれらの義務を管理する専任のコンプライアンス担当者を任命する必要があります。

更新されたフレームワークの適用範囲は金融セクターにとどまらず、対象となる企業はこれまでの約19,000社から10万社以上に拡大しています。新たに規制対象となった業種には、弁護士、会計士、不動産業者、開発業者、貴金属・宝石取引業者などが含まれます。いわゆる「トランシェ2(Tranche 2)」業種の登録はすでに開始されており、順次コンプライアンス義務が課される予定です。

2030年までの送金例外

国際送金、仮想資産を含む新たな規則も導入されました。いわゆる「トラベルルール」では、企業は送金者と受取人の情報を確認・共有する義務があります。事業者が新規則に適応するまで、一部の例外措置は2030年まで継続されます。

その他の改定には、管理負担を軽減するための報告グループ構造の簡素化、「通報禁止(tipping off)」規則の厳格化、弁護士職業特権の範囲の明確化などがあります。また、規制当局は海外支店に対して柔軟性を持たせる一方、特定のATMサービスなど低リスク分野に関する例外措置も設定しています。

先月シドニーで開催された「Regulating the Game」会議で、オーストラリア取引報告分析センター(AUSTRAC)のブレンダン・トーマス(Brendan Thomas)最高経営責任者は、これらの改革は犯罪者が違法資金を正当な収入として偽装することを防ぐことを目的としていると述べました。

一部の事業者はシステムを改善しているものの、依然として弱点が残っていると指摘。調査では、施設内で大量の現金が移動する、複数または架空の身元が使用される、組織犯罪関係者を含む取引が行われるといった問題が繰り返し確認されています。

「ビルスタッフィング(bill stuffing)」のように、ほとんどプレイせずに大口入金する行為は、マネーロンダリングリスクの明確な指標とされます。場合によっては、法執行機関からの警告が事業者の迅速な対応につながらないこともありました。

トーマス氏は、新フレームワークは単なる形式的な遵守ではなく、信頼構築の基盤として捉えるべきだと強調。移行期間中は現実的な対応が期待されますが、事業者には着実な進展が求められます。「準備は求められるが、完璧は必要ない」と述べ、リスク管理が不十分な企業には執行措置が取られる可能性があると付け加えました。

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