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専門家:PAGCORの最低保証手数料は小規模事業者に打撃を与える見通し

Jenny Ortiz-Bolivar
翻訳者 Hanako Takagi

フィリピン娯楽・ゲーミング公社(PAGCOR)は、2026年4月から、認可を受けたすべてのオンラインギャンブル事業者に対して最低保証手数料(MGF)を導入する予定だ。しかし、業界アドバイザーらは、この措置が国内のiGaming市場の構造を大きく変える可能性があると警告している。

12月15日付の通達によると、PAGCORは、eゲームを提供するすべてのゲーミングシステム管理者(GSA)およびゲーミング会場運営者(GVO)に対し、最低総ゲーミング収益(GGR)の基準に基づいた月額固定料金の支払いを義務付けるとしている。

「現行の料金体系における不備を是正し、公平性、説明責任、財政規律の原則を維持するため、PAGCOR取締役会は2025年12月4日の会合において、月額最低保証手数料の導入を承認したことをお知らせします」と、PAGCOR電子ゲーミング・ライセンス部門責任者のジェッサ・マリス・フェルナンデス氏は通達の中で述べている。  

一方で、コンサルシー・アドバイザリー・グループのエグゼクティブ・マネージング・パートナーであるジョン・カルデロン氏は、SiGMAニュースに対し、特に規制当局が定める最低GGR水準付近で事業を行っている小規模GSAにとって、その影響は深刻になり得ると語った。「現在のデータを見る限り、新たな最低保証手数料は小規模GSAに非常に大きな打撃を与えるでしょう」とカルデロン氏は述べ、最低基準ぎりぎりで運営している事業者は、余裕がほとんどないと指摘した。「最低GGRをかろうじて達成している事業者は、1か月でも業績が落ち込めば簡単に赤字に陥る可能性があります」

カルデロン氏はまた、新たなコスト構造の下では、市場に参入しないライセンス保有者も出てくる可能性が高いと指摘した。「活動していないライセンス保有者の多くは、コストが高すぎるため、そもそも事業を開始しないでしょう」と述べている。

「市場はより安定して見えるかもしれませんが、競争は弱まり、多様性も失われるでしょう」

― コンサルシー・アドバイザリー・グループ エグゼクティブ・マネージング・パートナー、ジョン・カルデロン

市場集約のリスク

PAGCORが公表した最新の認定GSAおよび登録ブランドの一覧によれば、現在65のGSAが運営を認可されている。これらの企業は、ライセンス義務の一環として、すでにGGRの一部を規制当局に納付している。カルデロン氏によれば、短期的な業績に関係なく月額固定のMGFが追加されることで、市場の集約が加速する可能性があるという。

「結果として、資金力のある大手GSAだけが市場を支配することになるでしょう」と同氏は述べた。「事業者数とブランド数は減少し、小規模プレイヤーが成長する余地はほとんどなくなります」

導入の第1段階として、2026年4月1日から9月30日までの期間、電子カジノゲームを提供し、月間GGRが3,000万フィリピンペソ(約50万9,400米ドル)以上のGSAは、月額900万ペソ(約15万2,820米ドル)のMGFを支払う必要がある。電子カジノゲームを提供せず、月間GGRが1,500万ペソ(約25万4,700米ドル)以上の事業者は、月額300万ペソ(約5万940米ドル)となる。

2026年10月1日以降は、基準と手数料がさらに引き上げられる。電子カジノゲームを提供し、月間GGRが3,500万ペソ(約59万4,300米ドル)以上のGSAは月額1,050万ペソ(約17万8,290米ドル)を支払い、電子カジノゲームを提供せず、月間GGRが2,000万ペソ(約33万9,600米ドル)の事業者は月額400万ペソ(約6万7,920米ドル)を支払うことになる。

カルデロン氏は、これらの水準が規模と資本力を有利にし、小規模および中堅企業を締め出す可能性があると述べた。「大手GSAがさらに支配力を強め、小規模事業者は苦境に立たされるか、完全に撤退するでしょう」

規制の安定性とイノベーション

規制当局の立場から見ると、MGFは特に実際に稼働している事業者から、予測可能な収入源をPAGCORにもたらす。フェルナンデス氏は、この手数料が、運営状態にあるGSAについて、2026年4月1日以降に開始されるすべての取引に適用されると説明した。

カルデロン氏はこの利点を認めつつも、市場全体への影響には疑問を呈した。「MGFによってPAGCORは安定した予測可能な収入を得られるでしょうが、その一方で、弱体な事業者や非稼働の事業者は市場から押し出されることになります」と述べている。

同氏は、参入コストの高さが新規参入者を遠ざけ、フィリピンのiGaming分野におけるイノベーションを鈍化させる可能性があると警告した。「新規プレイヤーは、市場を高コストで参入が難しいものと見なし、結果としてイノベーションが減速するでしょう」。事業者数が減れば監督は容易になるかもしれないが、競争の低下には別のリスクがあると同氏は指摘する。「市場は安定して見えても、競争力と多様性は確実に失われます」

地下化を招くリスク

カルデロン氏は、この政策が市場集約以外にも予期せぬ結果を招く可能性があると懸念を示した。「小規模事業者の成長を支援する代わりに締め付ければ、市場は事実上、大手プレイヤーに明け渡されることになります」

同氏は、新規参入者やニッチブランドを支援するために、より段階的なアプローチが可能だったはずだと述べた。「小規模事業者が小さく始め、多様性を加える余地を与える代わりに、多くが排除されるか地下に追いやられています」。このような動きは、規制当局の長期的な目標を損なう恐れがあるとし、「フィリピンのギャンブル市場は、予測しづらい空間になりかねない」と付け加えた。

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