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BGC:英国のギャンブル税引き上げは「闇市場にとっての大当たり」

Garance Limouzy
執筆者 Garance Limouzy
翻訳者 Hanako Takagi

英国の大手ブックメーカーは、政府がオンラインギャンブル課税をほぼ倍増させる計画について、「現代で例を見ない産業への大規模増税の一つだ」と非難している。企業側は、この措置によって数千人の雇用が失われ、利用者が無規制サイトへ流れ、最終的には競馬産業に悪影響を及ぼすと警告しているが、政府は競馬を保護したと主張している。

ブックメーカーやオンラインオペレーターを代表する Betting and Gaming Council(BGC)は、財務大臣の秋季予算が競馬にとっての勝利として売り込まれた一方で、実際にはその基盤を支える広範なエコシステムにとって脅威となっていると述べた。

BGC の最高経営責任者グレイン・ハースト氏は「この予算は競馬を守るどころか、数千人の雇用を奪うものです」と述べ、「この予算で得をするのは闇市場だけ──まさに大当たりを引いたようなものだ」と付け加えた。

競馬保護の見出しの裏にある「壊滅的打撃」

レイチェル・リーブス氏の計画によれば、オンラインのカジノ型ゲームに課される Remote Gaming Duty は 2026 年 4 月に 21% から 40% へ引き上げられ、オンラインスポーツベッティングの税率もその翌年に 15% から 25% へ引き上げられる。一方で、競馬に関する賭け税はオンライン・店舗ともに業界の激しいロビー活動を受けて 15% に据え置かれた。

財務省は、これらの措置によって 2029 年までに年間約 11 億ポンドの追加税収が見込めるとしている。しかし業界関係者や経済学者は、この増税が英国の規制当局によって最も厳しく監督されている分野に最も重い負担を課し、結果として財務省が期待する税収基盤そのものを縮小させる恐れがあると指摘する。

BGC の声明でハースト氏は次のように述べた。「大臣が実際に行ったのは、現代のどの産業にもほとんど例を見ない大規模な増税を課すことです。オンラインゲーミング税は 2026 年に 21% から 40% へと急増し、その上昇幅は 90% に達します。スポーツベッティング税も翌年には 15% から 25% へと引き上げられ、約 67% の増加です。」

彼女は競馬が増税を免れたという扱いについて「見せかけだ」とし、「競馬は一見増税から守られたように見えるが、業界の仕組みを理解していればそれが真実ではないことは明らかだ。これは表面的な措置に過ぎず、この予算は競馬を支えるエコシステムに壊滅的な打撃を与える」と述べた。

BGC が引用した EY の独立試算によれば、Remote Gaming Duty の引き上げにより「約 1万5,000 の高度技術職が失われ、40 億ポンド以上の賭け金が無免許業者に流出する可能性」があるという。さらにスポーツベッティング税の上昇で「20 億ポンドが海外に流れ、1,750 の雇用が失われる」恐れがあり、全体で「約 1万7,000 の雇用を危険にさらし、60 億ポンド以上の賭け金が闇市場へ流入する」とされている。

英国競馬は直接的な増税を回避するためのロビー活動に成功したものの、BGC(英国賭博・ゲーミング協会)は、規制されたブックメーカーが支出を抑えることで、業界がその余波を受けることになると主張している。ハースト氏は「ベッティング事業者はスポンサーシップ、メディア権、賦課金を支えている。規制部門が縮小すれば、その資金も同様に縮小する。約500店舗のベッティングショップが閉鎖されれば、競馬は約2,000万ポンドを失う可能性がある。ベッティングが衰退すれば、競馬が繁栄することはできない」と警告した。

この警告は、予算発表時に競馬団体が示した慎重ながらも安堵の声とは対照的だ。英国競馬協会(BHA)は、競馬賭け税が 15% に維持されたことで「収入源を維持し、全国で競馬産業を支える 8万5,000 の雇用を守る助けとなる」と述べつつ、ベッティング税全体の上昇が競馬に影響を与える可能性は否定できないとした。

闇市場拡大への懸念と脆弱な支援体制

BGC の怒りは、「より安全なギャンブル」を掲げる政府の政治的レトリックと、合法的事業者を圧迫する政策がもたらす現実の結果との乖離にある。ハースト氏は「大幅な増税を新たな規制と重ねてもギャンブルは安全にならない。むしろ逆効果で、一般の利用者を消費者保護のある規制市場から、保護が一切存在しない違法で有害な闇市場へと追いやることになる」と述べた。

彼女は「NHS 健康調査と成人精神医学調査によれば、英国におけるギャンブル被害の割合は 0.4% と低水準にとどまっている」とし、「顧客を無規制市場に追い込むことはこれを悪化させる」と警告した。

さらに彼女は、財務省自身が「無免許活動の増加を 5 億ポンドと見積もり、対策としてわずか 2,600 万ポンドしか割り当てていない」と指摘し、この額を「脅威の規模を考えれば微々たるものだ。しかもこの予算そのものが脅威を加速させる」と批判した。

こうした警告は、治療・予防のための資金制度がすでに逼迫している状況で出されたものだ。ガーディアン紙は、ギャンブル問題の支援を担う慈善団体が、政府による自発的拠出金制度の廃止と、それに代わる売上の最大 1.1% を徴収する新たな強制賦課金制度への移行に伴い、「資金難」に直面していると報じている。

ガーディアンによれば、この制度で年間約 1 億ポンドが調達され、主に NHS を通じて配分され、かつて GambleAware が担っていたサービスを NHS が委託する形になる見通しだ。しかし GamCare や Gordon Moody などの団体は、新制度に関する遅延や不透明さがすでに現場のサービスに影響していると訴えている。

GamCare の最高経営責任者ヴィクトリア・コービシュリー氏はガーディアンに「不透明さが大きな課題を生んでいる。4 月以降、委託者が私たちに何を求めるのか分からない。特に小規模団体が提供するサービスは、中断のリスクがある」と語った。

スウェーデンの議論と政策転換の広がり

英国での論争は海外でも注目されている。スウェーデンでは、競馬系ベッティング事業者 ATG の CEO、ハッセ・ロード・スカルプロート氏が、英国政府が高リスクのオンラインカジノゲームと低リスクの競馬を区別した判断を称賛した。

同氏は英国の予算について、「英国はオンラインカジノとオンラインベッティングへの税率を 21% から 40% に引き上げる一方で、競馬については法定賦課金を含めても実質約 25% にとどめることで『リスク評価と社会的利益に基づく税政策』を示した」と述べ、「競馬産業は生態系全体──生産者、調教師、競馬場、雇用、イベント、文化遺産──の一部と見なされている。競馬に課税すれば、自分の尻尾をかむようなものだという結論に達したのだ」と書いている。

一方で、英国の業界団体は、たとえ対象を絞ったアプローチであっても、規制市場全体の商業的基盤を損なえば予期せぬ悪影響を生む可能性があると主張する。

政府は、特にオンラインカジノ型ゲームを中心とする遠隔ギャンブルが高い被害リスクと関連しており、より重い財政的負担を課されるべきだと主張している。他方で所得税、国民保険料、付加価値税については増税を避けている。

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