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ベルギー、オンラインギャンブル税率引き上げを巡り地域間で意見対立

Garance Limouzy
執筆者 Garance Limouzy
翻訳者 Hanako Takagi

ベルギーでは、オンラインギャンブルに対する課税制度の大幅な見直しが検討されている。フランデレン地域政府は、現在11%となっている税率を15%へ引き上げることについて、国内3地域の合意形成を目指している。

この提案は、ベルギーの連邦制が抱える構造的な課題を浮き彫りにしている。ギャンブル規制は主に連邦政府の管轄である一方、ゲームやベッティングに対する課税権は、フランデレン、ワロン、ブリュッセルの3地域に属している。そのため、それぞれの地域が独自に税率や課税対象、免税措置を定めることができる。

現在、3地域はいずれもオンライン事業者に対し、粗利益(Gross Gaming Revenue:GGR)の11%を課税している。フランデレン地域は、この税率を2027年1月1日から15%へ引き上げることを提案しており、これはフランデレンとブリュッセルで一部のオフラインベッティングにすでに適用されている一般税率と同水準となる。

フランデレン地域政府がベルギー協議委員会(Consultation Committee)へ提出した文書では、3地域が同時に法改正を行うこと、さらに将来的な税制変更についても事前に相互協議を行うことが求められている。

文書では、「2027年1月1日から税率を15%へ引き上げるために必要な法的措置を講じるべきである」としている。また、今後税率や課税対象、免税措置を変更する場合には、「他地域との相互協議を経た上で行うべき」とも提案している。

ベルギーの認可事業者は以前から、税制改正と規制強化が重なることによる影響を慎重に検討するよう政策立案者へ求めてきた。ベルギー・ゲーミング事業者協会(BAGO)は、以前のSiGMA Newsのインタビューで「2024年の粗利益(GGR)が約5%減少したという最新の市場データは、合法市場に対する税制・規制上の負担が重なっている現状を踏まえ、慎重な対応が必要であることを示している」と述べている。

オンラインギャンブルが主流になる前に定められた税率

現在の11%という税率は、各地域が2010年から2011年にかけて決定したものである。当時と比べ、オンラインギャンブルは市場の一部から最大の市場セグメントへと成長した。

フランデレン地域政府が引用したデータによると、2024年にはオンラインギャンブルがベルギー全体のGGRの57%を占め、オフラインギャンブルの43%を上回った。また、15歳以上でオンラインギャンブルを利用した人の割合は、2018年の7.9%から2023〜2024年には14.8%へ増加している。

こうした変化を受け、フランデレン地域の議員らは、現在の税制は人々のギャンブル利用実態を反映していないと主張している。別の議会文書では、オンライン商品は常時利用可能であり、デジタルマーケティングやボーナス、スポンサーシップによって支えられていると指摘している。

同文書は、「まさにこうしたギャンブル形態が、現在では税制上、さまざまなオフライン商品よりも優遇されている」と述べている。

また、フランデレン地域の提案では、ベルギーの税率は他の欧州諸国と比較して依然として低水準であるとも説明されている。比較では、オランダ37.8%、デンマーク28%、イタリア25%、スウェーデン22%、スペイン20%となっている。商品構成や控除制度、規制コストの違いから単純比較はできないものの、ベルギーの11%は依然として低い水準に位置付けられている。

欧州の税率引き上げ事例が示す教訓

オランダの事例が示す教訓では、税率引き上げが必ずしも想定どおりの税収増につながらない可能性を示している。同国では、ギャンブル税率が2025年に30.5%から34.2%へ、2026年には37.8%へ引き上げられた。

2026年6月にオランダ財務省とギャンブル規制当局が公表した評価によると、2025年の税収増は200万ユーロにとどまり、当初見込まれていた1億800万ユーロを大きく下回った。2026年についても、税収増は5,700万ユーロと予測され、当初予想の2億1,600万ユーロには及ばなかった。

当局は、この結果について、利用者保護規制の強化によってGGRが減少したことなど複数の要因が影響したと説明している。また、税率引き上げ自体も課税対象額を縮小させた可能性があるとしつつ、それぞれの施策の影響を明確に切り分けることはできないとしている。

ブリュッセルの新聞BRUZZが報じたように、この議論では、事業者がベット処理用サーバーをブリュッセルやワロン地域へ移転し、より低い地域税率の適用を受け続ける可能性もリスクとして指摘されている。

ベルギーでの議論は、オンライン時代初期に決められた税制が現在でも妥当なのか、そして市場のデジタル化が進む中で、自治権を持つ3地域が共通の税制方針を維持できるのかという二つの課題を同時に問うものとなっている。

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